GSX Report 株主のみなさまへ

GSX
Report株主通信

Top Interviewトップインタビュー

サイバーセキュリティ領域に特化したビジネスを展開しダイナミックな成長を続けるGSXグループ。
おかげさまで2025年3月期も着実な成長を達成いたしました。
国を挙げて勢いづくサイバーセキュリティ業界の動きや、その中でGSXグループに期待される役割も交えながら、
今後のさらなる飛躍に向けた構想について代表取締役社長の青柳史郎がお話しいたします。

写真 代表取締役社長 青柳史郎
代表取締役社長青柳史郎

2025年3月期の事業環境と業績の振り返り

お客様のニーズに合わせた事業ドメインの再編成により、各事業が順調に成長
特にセキュリティ教育事業や、セキュリティ人材事業が前期比で大きく拡大した1年

サイバー攻撃の脅威が世界的な規模で増大する中 、政府や監督官庁は、企業に対してリスク低減に向けた指導や支援を行 っており、その一環としてガイドラインの整備も進めています。これを受けて、大手メーカーからガイドラインに沿った対応を取引先やサプライチェーンに求める動きが広がっているため、準大手・中堅・中小企業も猶予なしの状況になっています。2025年3月期はそんな緊張感が市場に広 がり、セキュリティ対策へのニーズがさらに膨らんだ1年でした。また、日本のセキュリティ人材不足を背景に、ITエンジニアに対するセキュリティ教育や、セキュリティ人材そのもののニーズも大きく膨らみ、セキュリティ教育事業・セキュリティ人材事業が大きく伸長しました。

GSXグループでの業績は、売上高 88億164万円(前期比25.7%増)、営業利益16億1503万円(前期比45.1%増)、営業利益率は18.3%(前期比+2.5ポイント)。主要PL項目のすべてで過去最高額を更新いたしました。営業利益は本社移転と業容拡大によるコストや従業員への期末賞与を計上しながらも業績予想を上回る着地。2023年6月に開示した中期経営計画で掲げている売上成長率25%の目標も達成しており、業績の拡大が順調に進みました。

2025年3月期のトピックスのひとつは、6月に丸紅グループのIT分野の中核企業である丸紅I-DIGIOホールディングス株式会社(以下、MIH)と資本業務提携を締結したことです。丸紅グループがIT関連サービスを提供しているのは国内企業約1万社。その多くが、GSXがセキュリティサービスを提供しているお客様層と同じ、準大手・中堅・中小企業です。今後はMIHおよび丸紅グループのサイバーセキュリティビジネス戦略における人材育成(リスキリング)・体制構築を支援するとともに販路拡大を目指します。

また、7月の本社移転も大きなトピックスです。これは事業成長とともに大幅に増えた社員の要望に応えるための移転で、手狭だった執務室や会議室が開放的な空間になったことで出社率が上昇しています。リフレッシュエリアとして新設した「GSX Cafe」は、社内イベントやお客様との懇親会の場としても活用されており、あらゆるコミュニケーションが活性化しています。

写真 新オフィスのリフレッシュエリア
新オフィスのリフレッシュエリア

オフィス移転による職場環境の改善と
従業員満足度の向上

新オフィスでは、働きやすい環境づくりを重視し、広々とした作業スペースやリフレッシュエリアを導入。社内コミュニケーションが活性化し、部門を超えた社員同士の連携が強化されたことで、業績向上や新たな案件の創出にもつな がっています。また、お客様やパートナー企業様との交流の場としても活用され、ビジネスチャンスの拡大が期待されます。快適な職場環境は人材採用にも好影響を与え、当社グループの成長を加速させる原動力となっています。

写真 新オフィスで実施した教育事業ユーザーカンファレンス
新オフィスで実施した教育事業ユーザーカンファレンスでは、参加者同士の情報共有とネットワーキングが活発に行われました。
写真 GSX感謝祭2024-1
「GSX感謝祭」と題したお客様向けイベントでは、普段お取引いただいているお客様・パートナー企業様をお招きし日頃の感謝をお伝えしました。
写真 GSX感謝祭2024-2
社内イベントでは、社員同士の交流も生まれ、組織全体の一体感が高まりました。

また、2024年4月1日に設立した「日本サイバーセキュリティファンド」。この1年で認識できたのは、輪の広がりの早さであり、現在までに25社が参画しています。同じ業界なので「応援したい」「⼀緒に取り組みたい」という意識が強く、セキュリティ業界が一丸となって、日本全国の企業のサイバーセキュリティに対する⾃衛⼒を向上させるという大義に共感いただいた結果であると感じています。3カ⽉ごとに開催している情報交換会では経営戦略や課題を共有し、具体的なパートナーシップを構築するコミュニティとして機能しています。

日本サイバーセキュリティファンドの飛躍と、業界内プレゼンスの向上

国が総力を挙げて取り組みを進めるサイバーセキュリティ対策の強化・構築には、
国内の商慣習等に適した製品・サービスを提供できる国内企業の成長が必要不可欠
自社事業の拡大に加えて本ファンドの成長をアクティブに支え、
日本のサイバーセキュリティ産業を先導する企業を目指す

全世界的に企業のセキュリティ対策の必要性は高まっており、常に新しいプロダクトやサービスがリリースされ、日本の多くの企業でも海外製品の導入が進んでいます。
一方でそのような最新鋭といわれる海外製の製品・サービスでも、日本の商慣習には十分に適していないといったことも多く、攻撃の抜け道があるケースも散見されます。
国内企業のサイバーセキュリティ対策を強固にするためには、こういった国内の商慣習やスタンダードを深く理解している「国内のセキュリティ企業」の成長が急務です。仮に国内のセキュリティ企業から十分な製品・サービスの供給がなければ、海外製品やサービスのシェアが現状以上に高まってしまい、国内事業者の成長や新規参入が滞り、ひいては日本のサイバーセキュリティ対策の弱体化にもつながり得ると危惧しています。

国策とファンドの目指す先は同じ
その中でGSXグループはサイバーセキュリティ産業をリードする企業に

サイバーセキュリティ市場は足元で成長し、今後も飛躍的な拡大が見込まれていますが、それをさらに上回るインパクトとして、経済産業省が国を挙げ てサイバーセキュリティに取り組む指針「サイバーセキュリティ産業振興戦略」を掲げたことが、当社グループへの注目度を一層高めたように感じます。

この「サイバーセキュリティ産業振興戦略」の大きなテーマは「我が国から有望なサイバーセキュリティ製品・サービスが次々に創出されるための包括的な政策パッケージ」ですが、これは「日本サイバーセキュリティファンド」の目指す先と完全に一致しています。 この戦略の中で、ファンドは非常に大きな意義をもたらす存在になると確信しています。

また、これまでの取り組みやファンド組成を評価いただいたこともあり、サイバーセキュリティ産業の主要プレーヤーとして、経済産業省の発表にコメントを寄稿しました。

写真 代表取締役社長 青柳史郎

サイバーセキュリティ産業の主要な関係者として
経済産業省の発表にコメントを寄せました

グローバルセキュリティエキスパートはセキュリティ業界に対する産業振興戦略の取り組みに賛同します。国内企業のセキュリティ対策推進およびセキュリティ業界の活性化に向けて、製品の調達促進や新制度策定など、経済産業省様によるご支援を期待します。また、当社が参画する日本サイバーセキュリティファンドでは、セキュリティ企業への投資のみならず、セキュリティ企業が一致団結し投資先を支援することにより、国内企業のセキュリティ自衛力向上、セキュリティ業界の活性化に貢献して参ります。

経済産業省「サイバーセキュリティ産業振興戦略」
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/sangyo_cyber/wg_cybersecurity/enhanced_security/20250305.html

巨大なマーケットの成長潮流の中で、非常に重要な使命が懸かった環境に身を置いていることに大きな責任を感じつつも、大義を果たすために覚悟を持ってチャレンジしていきたいと思います。

2026年3月期の業績予測と位置づけ、
目標達成に向けた施策

2026年3月期は次のステージへ向けて足場を固める1年
より高い成長が期待できる効果的な施策を計画

写真 代表取締役社長 青柳史郎

2026年3月期の業績予想は、売上高 110億円(前期比25.0%増)、営業利益22億円(前期比36.2%増/営業利益率20%)、経常利益21億8,100万円(前期比39.5%増/経常利益率19.8%)としています。中期経営計画で掲げている売上成長率25%は絶対的な目標です。当社の持分法適用会社である株式会社ブロードバンドセキュリティ の業績を懸念されている方もいらっしゃるかもしれませんが、同社は構造改革によって昨年度後半より業績が向上。今期はプラスに寄与すると考えています。

今期の位置づけは、次のステージへの足場を固める1年。いよいよ上場市場のステップアップも見えてきましたので、東証の基準を充足できるよう、着実に駒を進めたいと思います。
2025年3月期に事業ドメインを再編成したことが効いたこともあり、ビジネスは非常に好調ですが、ここで足を止めることなく、より高い成長を目指し2026年3月期も様々な施策を打っていく計画です。
今期は、経営層に近い人材を各事業部のマネジャーとして配置しました。事業部門は製販一体となって目的と目標を共有し、お客様の課題を解決するサービスを最短で提供できる組織となっています。今期の成果によっては、来期以降のさらなる成長も見えてきますので、大きな期待を持って進めていきます。

準大手・中堅・中小企業に必要なセキュリティサービスをフルラインナップで支援するサイバーセキュリティ事業。IT企業・SIer向けにIT人材の付加価値向上を支援するセキュリティ教育事業。企業規模を限定せず、あらゆる企業のセキュリティ人材ニーズを支援するセキュリティ人材事業(100%子会社CyberSTAR)。GSXグループが先駆者として創出し、磨き上げてきた強みは、サイバーセキュリティ対策がすべての企業にとって重要課題となった今、ひときわ目立っています。また、GSXグループは上場以来、期初に公表した数値目標を下回ったことが一度もありません。株主の皆様には、こうした強みと実績に自信を持って挑戦を続けるGSXグループを長期的な視点で見守っていただければ幸いです。今後ともご理解とご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。

中間・期末配当の実施
および、株主優待制度の新設について

当社は、株主の皆様への還元をより一層充実させるため、新たに中間配当を開始いたしました。これにより、年間を通じた安定的な利益還元を実現し、持続的な企業価値の向上を目指してまいります。あわせて、株主優待制度も新設し、日頃からご支援いただいている株主の皆様に感謝の意をお伝えする機会を設けました。今後も、より多くの皆様に当社を長期的にご支援いただけるよう努めてまいります。

詳細はこちら

Results Summary決算サマリー

2025年3月期

  • 売上高

    70.2億円 前期比+26.0%
  • 営業利益

    11.1億円 前期比+51.1%
  • 顧客数

    1,346社 前期比+140社

業績推移

  • 売上高 CAGR 44%
  • 営業利益 約15倍
  • 営業利益率 11.3pt up