GSX Report 株主のみなさまへ

GSX
Report株主通信

Top Interviewトップインタビュー

AIの急速な普及により、企業を取り巻くセキュリティリスクは大きく変化しています。
国としてもサイバーセキュリティ対策に向けた動きを加速させるなど、
社会全体でサイバーセキュリティの必要性をいっそう感じた1年となりました。
こうした環境変化を当社はどのように捉え、AI時代における成長機会へとつなげていくのか――
当社の成長戦略について、代表取締役の青柳史郎が解説いたします。

写真 代表取締役社長 青柳史郎
代表取締役社長青柳史郎

2026年3月期の
事業環境と業績の振り返り

準大手・中堅・中小企業からのセキュリティニーズはさらに拡大
AIの急速な進化が注目された1年

2026年3月期はWebサイトへの不正アクセス、ランサムウェア攻撃、マルウェア感染などのセキュリティインシデント発生件数がさらに増加。セキュリティ人材の不足等によって十分な対策を講じることが困難な準大手・中堅・中小企業からのセキュリティニーズがいっそう拡大した1年でした。

これを受けて当社グループの業績は、売上高110億2,208万円(前期比25.2%増)、営業利益22億3,805万円(前期比38.6%増)、営業利益率は20.3%(前期比+2.0ポイント)と大きく伸長。社員への利益還元を拡充しながらも余力を残した着地となり、昨期に続いてすべての主要PL項目で過去最高額を更新いたしました。

事業トピックスのひとつは、営業エリアの拡大です。2025年8月、きらやか銀行様と業務提携契約を締結し、同行とお取引のある山形県内を中心とした企業様向けにサイバーセキュリティサービスの提供を開始しました。当社はこれまで、IT関連企業と提携することで日本全国へ販売チャネルを広げてきましたが、地元企業と密接な関係を持つ地方銀行との提携は、さらなる販路拡大が期待できます。きらやか銀行様との提携をモデルケースに、現在は複数の地方銀行との提携を模索しています。また、2026年2月には、北海道オフィスをオープンしました。「日本全国の企業の自衛力を向上させる」という当社のミッションを実現するための商圏拡大を進めています。

セキュリティ教育講座の提供が加速したことも、この1年のトピックスです。IT関連企業やSIerの営業社員・エンジニア向けに、セキュリティ教育講座を数千名単位でご採用いただくことが増えました。

一方で年度末にかけては、AIの急速な進化を背景に、いわゆる「SaaSの死」とも呼ばれる既存ソフトウェアサービスの競争環境変化や、AIによる業務代替への懸念が市場で大きな話題となり、関連企業の株価は大きく変動しました。当社ではこうした変化を事業環境の大きな転換点と捉えるとともに、AIによる新たな価値創出の機会が拡大しているものと考えています。そのため、AIは当社にとって脅威ではなく、さらなる成長を支える追い風であるとの考えを積極的に発信してまいりました。

AI台頭は脅威ではなく
当社ビジネスに強い追い風

AIによるサイバー攻撃の高度化と企業のAI活用拡大が新たなセキュリティ需要を創出
AI時代に不可欠な専門パートナーとして中長期的な成長機会を拡大

多くの企業で業務へのAI活用が本格化する一方で、その変化は新たなセキュリティ課題も生み出しています。
まず、サイバー攻撃者はすでにAIツールを活用しており、攻撃の自動化や巧妙化、高度化が加速しています。もともと攻撃側が常に有利とされるサイバー空間において、AIの進化はその優位性をさらに高める要因となっています。

一方、防御側においてもAIツールを導入すれば十分という状況ではありません。企業は従来からのサイバーセキュリティ対策に加え、AI利用に伴う情報漏洩リスクや誤用リスク、AIガバナンスの構築など、新たな課題への対応を求められます。さらに、AIを安全かつ適切に選定・運用・統制するためには高度な専門知識が必要であり、多くの企業で外部専門家への依存度が高まると考えています。

このように、AIの普及はサイバー攻撃リスクの増大と企業のセキュリティ課題の複雑化を同時にもたらします。その結果、企業におけるセキュリティニーズは中長期的に拡大し続けると見込まれます。
当社は、こうした環境変化を脅威ではなく構造的な成長機会と捉えています。サイバー攻撃への対応からAIガバナンスの整備、人材育成までを支援できる当社グループの役割は今後さらに重要性を増していくと考えています。

AI時代にあわせた
当社の成長戦略

AIによる業務効率化と新サービス創出を全事業で推進
さらにセキュリティ専業企業ならではのAI市場の開拓に取り組む

AI時代の成長戦略は、「AIによる効率化を通じた収益性向上」「AIを活用した新たな提供価値の創出」「セキュリティの知見を活かしたAI市場の開拓」という3つの方向性で推進しています。AIによる業務効率化と新サービス創出は、すでに着手してきた取り組みですが、今後さらに加速してまいります。

当社がこの戦略を進めるのは、当社のお客様層である準大手・中堅・中小企業においては、AIの導入・活用の度合いに格差が生まれると考えているためです。超大手企業では自社でAIエージェントを使いこなす体制が構築できるかもしれませんが、準大手・中堅・中小企業には導入・活用・統制を支援するパートナーが必要になります。当社はお客様がどのようなコンディションであっても最適なAI時代のセキュリティサービスを提供することで、お客様とAIの共存を支援してまいります。

2027年3月期の
業績予想と重点施策

AI時代の成長戦略と全国展開による成長戦略を両輪で推進
売上成長率25%と営業利益率21%超を目指す

2027年3月期の業績予想は、売上高137億7,800万円(前期比25%増)、営業利益29億3,900万円(前期比31.3%増/営業利益率21.3%)、経常利益29億7,300万円(前期比33.8%増/経常利益率21.6%)としています。

絶対的な目標は、中期経営計画で掲げている売上成長率25%の達成です。昨期以上に生産性の向上をはかり、旺盛なニーズにお応えするとともに、AIを活用し、新たなサービスを創出してセキュリティ会社としての付加価値を高めてまいります。これらを実行することによって、営業利益率も高められると考えています。

重点施策は、まさにAI時代の成長戦略と全国展開による成長戦略を同時に強く推進することです。上場以来、GSXグループは期初に公表した数値目標を達成できなかったことはありません。今期は各事業のセキュリティサービスの提供先を全国に拡げながら目標達成に挑みます。そして期末の決算時には、株主の皆様のご期待にお応えできるご報告をさせていただきたいと思っています。

株主還元方針と
皆様へのメッセージ

高評価をいただいた株主優待制度を引き続き実施
自己株式の取得を含む株価施策、流動性の改善も推進いたします

写真 代表取締役社長 青柳史郎

2027年3月期の配当性向は、前期比で2ポイントアップの37%(1株あたり年間配当額49.11円)に設定しております。当社は累進配当を導入していますし、期末時点で業績が予測を上回っていた場合、配当性向はそのままに配当額を増加しますのでご期待いただきたいと思います。

株主優待制度(中間/期末)については、QUOカード(2,000円分)の進呈またはセキュリティ教育講座(4コース)の無料受講の選択制で今期も継続いたします。セキュリティ教育講座は、日頃からご支援いただいている株主の皆様に感謝の意をお伝えするとともに、当社の提供するサービスについてご理解いただく機会をつくるためにご用意しました。初回は予想を大きく上回るお申し込みをいただきましたので、今後さらにブラッシュアップした内容でお届けしたいと考えています。

また、株式流動性の向上と企業価値の適正な評価実現に向けた取り組みを、引き続き推進してまいります。2026年5月22日にリリースいたしましたが、株主の皆様への利益還元のひとつとして自己株式の取得を実施しました。今後は、株式流動性の改善策も検討を進め、市場における売買の円滑化と取引高の拡大を目指します。
また、業績の成長を基盤としつつ、自己株式取得や事業会社との戦略的提携などの施策を組み合わせることで、株式価値の向上に努めてまいります。現在の株価については、当社の実力および成長性を十分に反映した水準ではないと認識しておりますので、市場評価との乖離についても、これらの取り組みを通じて着実に是正していく方針です。
株主の皆様並びに当社への投資をお考えの皆様におかれましては、引き続きご支援とご理解を賜りますようお願い申し上げます。

Results Summary決算サマリー

2026年3月期

  • 売上高

    110.2億円 前期比+25.2%
  • 営業利益

    22.3億円 前期比+38.6%
  • 顧客数

    1,588社 前期比+145社

業績推移

  • 売上高
  • 営業利益
  • 営業利益率 20.3%